30すぎて独身なんて
仲の良くない私のいとこが妊娠した。
それを面白くなさそうな雰囲気を隠しつつ、母が私に言った。そういえばね〜と思い出した感じで。
私は言った。「いとこはそれが女の一番の幸せだと思ってるから私に勝ち誇った態度で接してくるんだろうな。でも、幸せな形は人それぞれだから私には関係ないよ。」
母は言った。「でもみんな思うんだよ。30すぎて独身なんて。」
それを言われてまた心臓が凍りついた。
しばらく言葉が何も出なかった。その時間は実際は数秒だったけど、永遠にも長く感じられた。
ああ、またか。母は悪気なく、こうやって私の自己肯定感を奪っていく。私は無意識に自分には価値がないんだ思うようになり、悲しくなったり消えたくなる。
そして自分で自分を必死で鼓舞する。私は生きてるだけでいいんだよ。生きてるだけで可愛いんだよ。尊いんだよ。と。
必死で鼓舞する。
生きてるだけで、息をしてるだけでも私はえらい。それでいいんだよ。と。